研究課題
基盤研究(B)
本共同研究は、神話にかかわるテキストの具体的な分析を研究の中心とする一方、各テキストを総体として見通すことによってその連関をささえてきた諸制度を問題化することを主眼とする。そのため、当初の計画通り、研究分担者全員によって総括的な研究会を組織するとともに、それぞれ重心を置く研究領域によって古代、中世、近世、近代の各班に分かれて資料の分析と問題の整理にあたることとなった。まず各班の活動として、初年度は、各分野別に対象となる文献資料の収集とその基礎的な整理にあてられた。また全体としての活動としては、共同研究の一環として、また一般の人々も対象とした問題喚起的な活動として、神話テキストの出現をささえた文化的な基盤としての文字をテーマとする全4回のセミナーを組織し、実行した。各回の講師と題目を以下に記す。第1回:11月6日 乾善彦「宣命書きを中心として見た古代日本語表記の諸相」第2回:11月27日 毛利正守「日本書紀訓注の把握に向けて」第3回:12月9日 平川南 「韓国咸安城山山城新出土の木簡について」第4回:12月21日 東野治之「古代の文字世界-野中寺弥勒像銘と『孝子伝』-」さらに、3月23、24日には、他大学の研究者や大学院生も交え、初年度の研究活動を総括する研究会を開催する予定である。