研究課題/領域番号 |
11410116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
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研究分担者 |
渡辺 匡一 いわき明星大学, 文学部, 助手 (40306098)
池宮 正治 琉球大学, 法文学部, 教授 (00044842)
渡辺 憲司 立教大学, 文学部, 教授 (00123761)
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キーワード | 琉球文学 / ホーレー文庫 / 袋中 / 島津入り / 琉球往来 |
研究概要 |
本年度は、八月に共同研究の今後の計画をめぐって、全メンバーが沖縄で集まり、協議をかさね、琉球文学にかかわる全体の課題をふまえた各自の個別テーマにもとづき、研究発表を行った。あわせて、那覇の県立図書館などで資料調査を試み、琉球文学関連の遺跡の実地踏査を行った。その折りの方針にもとづき、12月にハワイ大学のホーレー文庫の琉球資料調査を行った。残念ながら日程の都合と図書館側の規程により、予定していた資料のすべての調査を遂行できなかったが、予想していた以上にレベルの高いコレクションであることがわかり、国内のみの調査では得られない成果をあげることができた。 沖縄とハワイの調査及び会合で、今後の具体的な計画が煮詰まり、基本の課題を慶長年間のとくに島津入り前後に焦点をしぼることとし、一方の柱を島津入りの数年前に渡琉した袋中関係の作品資料(とくに琉球神道記と琉球往来)、もう一方を島津入りをめぐる言説の、ことに軍記系統の資料にしぼり、それぞれ基礎的な調査と資料収集、翻刻と注釈作業を目的とし、東京と那覇とで研究会を分担して継続することとした。これにあわせて、国内でも積極的に資料調査と収集を行った。ことに琉球往来及び島津入りをめぐる軍記資料についてはほとんど研究がなく、基礎的な書誌調査からはじめなくてはならないにもかかわらず、資料はかなり残っているため、まだ部分的な段階にとどまっている。 また、琉球と東アジアとの文化交流を背景に見るために、一部のメンバーは年度末に台湾の調査を試み、故宮博物院などの資料調査及び実地踏査を実施した。他のメンバーは、再度沖縄調査に赴いた。次年度は、中国を対象にする予定である。
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