研究分担者 |
村上 雄太郎 茨城大学, 工学部・共通講座, 助教授 (50239505)
ラマール クリスティーン 東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (30240394)
木村 英樹 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20153207)
楊 凱栄 東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (00248543)
鷲尾 龍一 筑波大学, 現代語現代文化学系, 教授 (90167099)
|
研究概要 |
今年度は10月に研究会を開催し,研究分担者である井上優(国立国語研究所)が「受動文の意味をめぐって」というテーマで発表を行った。研究会には協力者としてチベット語の専門家星泉(東京外国語大)も参加し,各自の研究状況の報告と今後の共同研究の進め方について意見交換を行った。さらに,前年度に引き続き,各研究分担者はこれまでの研究成果を別項のように論文や学会発表の形で公表した。 各分担者が今年度行った研究内容は以下の通りである。 木村は,認知言語学的アプローチの一環として中国語二重主語文の成立要件を考察し,その成果を論文にまとめたほか,北京方言の「授与」動詞"給"に関する文法化の経緯を方言と対照しつつ調査・資料分析を行った。ラマールは,中国河北省で移動事象表現に関する方言調査を行うとともに,中国社会科学院言語研究所や天津での国際学会で中国語の文法化などについて講演・研究発表を行った。楊は,疑問代詞に関する論文をまとめたほか,北京大学で「表示周遍性意義的句式在語義功能上的差異」と題する研究発表を行った。村上は,ベトナム語の動詞,特にアスペクト形式や前置詞としても使われるものなどについて,その文法化のプロセスと原因について研究を進めたほか,筑波大学でベトナム語の推量に関する表現について研究発表を行った。鷲尾は,昨年度に引き続き,上代・中古の日本語における完了の助動詞の分布を調査し,これを西欧諸語(特にオランダ語)に見られる助動詞選択と比較した。井上は日本語研究と対照研究の関わりに関する論文を書くとともに,受動文の意味についての研究を進めた。生越は,朝鮮語のボイス,特にhata動詞の2つの形態に関する論文をまとめたほか,授受表現と助詞の関係について研究を進めた。
|