研究課題/領域番号 |
11420003
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
黒田 忠史 甲南大学, 法学部, 教授 (40068143)
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研究分担者 |
三阪 佳弘 龍谷大学, 法学部, 助教授 (30219612)
野上 博義 名城大学, 法学部, 助教授 (70121506)
深尾 裕造 関西学院大学, 法学部, 教授 (20135891)
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キーワード | 法曹養成制度 / 大学法学部教育 / 司法改革 / ロー・スクール / 弁護士会 |
研究概要 |
研究年度2年目、まず黒田は、購入した資料の解読・分析を進めるとともに、私学研修福祉会からの在外研究資金をえて夏期2ヶ月半アメリカとドイツで在外研究を行い、アメリカ法曹とロースクールの成立・発展史、及びドイツでの司法試験と法学部カリキュラムについて、基礎資料と文献の調査を行った。研究の成果の一部は、今年度は法制史学会近畿部会や日独社会学者会議で報告し、他分野の研究者との交流を深めつつ論文として完成させつつある。深尾は、前年度収集した資料の内、Law Society関係資料を中心に整理、分析を行っているが、1870年代の法科大学設立運動の興隆と挫折の過程に焦点を絞って、近代的法律プロフェッションとしてのソリシタ、バリスタの成立過程を明らかにしつつある。野上は、近代フランスの法律家養成について、革命直後の主権論と権力分立論に基づく政治的選択、19世紀に一般的であった社会的身分的選択、法律家の資質として「知的要素」を排除することによって保たれた特殊フランス的法律家秩序の変容のプロセスを、20世紀初頭の「国家試験」の導入を巡る動きを軸にして調査している。三阪は、昨年度に引き続き、法学教育について、主要大学の大学史等の資料に基づいて、統計データの資料の整理を行いつつある。また、法曹養成の法的枠組みの形成や法曹の社会的役割に関して、従来の研究を整理しながら、通史的把握を試みている。また今年度は、各種研究会や合宿研究会などでチーム・メンバーの個別研究の相互交流を行い、平成14年秋に予定されている法制史学会学術大会シンポジウム「歴史における法曹養成と法学教育」に結実させるための作業を進めてきた。
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