研究課題/領域番号 |
11420009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩原 紳作 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20107486)
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研究分担者 |
山下 友信 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10107485)
高橋 宏志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40009832)
伊藤 眞 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (50009809)
神田 秀樹 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90114454)
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キーワード | 金融機関の破綻処理 / システミック・リスク / ペイオフ / 金融機関更生特例法 / 預金保険 / 保険相互会社 / 農業協同組合 / SPC |
研究概要 |
第一に、ペイオフを伴う銀行等の破綻処理を行う場合に、システミック・リスクや連鎖的取付けを生じさせず、与信・受信や為替などの金融機能を維持しながら、必要な限度で預金者保護を図りつつ破綻処理を行っていくための技術的な条件の検討を行うとともに、破綻処理の方式の検討を行った。例えば、ペイオフ実行のための名寄せの可能性とコストを検討し、また金融機関の更生手続の特例等に関する法律(更生特例法)による裁判所における破綻処理が適切か、或は金融再生法を改正する形で、現在のような行政的な枠組の中で破綻処理を続けるべきかの検討を行った。その結果、名寄せ等は可能であり、基本的には行政的な枠組による破綻処理を中心にせざるをえないという見通しを得ることができた。この成果は、神田が座長としてまとめた「特例措置終了後の預金保険制度及び金融機関の破綻処理のあり方について」(平成11年12月 金融審議会)に反映され、預金保険法や更生特例法の改正等によって実現される見通しである。 第二に、岩原、伊藤、高橋が立法に関与した民事再生法が成立したことから、同法を各種金融機関の破綻処理にどこまで使えるか検討した。その結果、同法が活用できるのは、会社更生法の適用のない農業協同組合等に限られ、保険相互会社の破綻処理には会社更生法を修正した更生特例法を適用することが妥当であるとの結論に達した。これは山下、岩原が座長などとしてとりまとめた「保険会社のリスク管理と倒産法制の整備、中間とりまとめ」(平成11年12月 金融審議会第二部会)神田、岩原が関与した「系統信用事業のセーフティネットの整備の方向」(平成12年2月 農水省)に結実し、立法化される見通しである。 第三に、SPCや証券投資法人の破綻処理についても、神田、岩原が関与した金融審議会第一部会報告に基づき立法化される。
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