研究課題/領域番号 |
11420014
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
五百旗頭 真 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10033747)
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研究分担者 |
品田 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10226136)
久米 郁男 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30195523)
伊藤 光利 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00128646)
中西 寛 京都大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (30237325)
福永 文夫 獨協大学, 法学部, 教授 (60199255)
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キーワード | 宏池会 / 池田勇人 / 大平正芳 / 鈴木善幸 / 高度経済成長 / 保守本流 / 自民党 / 行政改革 |
研究概要 |
最終年度である本年度は、宏池会に関する資料収集、インタビューと併せて、分担者による研究報告に基づく質疑応答を行い、各自の最終成果の準備作業を行った。 1.資料収集・整理 宏池会研究の基礎的データの最終的な整理完成が本年度の第1の成果である。宏池会所属議員の役職、経歴、選挙などのデータを収集し、利用可能な形にデータベース化した。このデータに基づき、宏池会という派閥がいかなる特性を持つものかが分析された。また、前年度までに収集された宏池会機関誌「進路」の記事データを整理し解題を行った。 2.インタビュー 本年度も、引き続き宏池会を解明するためのインタビューを行った。本研究代表である五百旗頭教授は、宮沢喜一元総理に対するインタビューに加えて、非宏池会政治家である中曽根康弘、橋本龍太郎両元総理などへのインタビューを行い、その結果を研究会でメンバーと共有することを行った。また、最終段階で、大平内閣において首相秘書官をつとめその後、宏池会所属議員として活動をしてきた森田一氏を研究会に招いて聞き取りを行った。また中村隆英先生からは経済史に関し貴重なお話しをいただいた。 3.研究報告 分担者である品田、福永が、宏池会系政治家の特性を解明する分析を行った。そこでは、宏池会系議員の部会所属が池田時代以降徐々に変化してきたことが明らかにされた。村田は、宏池会系政治家から防衛庁長官が輩出しているという事態の政治的意味を分析した。中西、久米は、宏池会の経済政策の分析を行った。中西の分析は、池田内閣の政策的ブレーンであった下村治の経済思想を政治学的に分析するものである。久米は、池田内閣期と佐藤内閣期の経済財政政策の策定を実証的に検討し、アイデアの政治という観点から分析を行った。五百旗頭は、これらの分析をふまえつつ、宏池会という政策色の強い派閥が戦後日本にとっていかなる意味を持ったのかを考察した。 4.成果発表 以上の研究成果は、PHP出版から年内に研究書として公刊される予定である。
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