研究課題/領域番号 |
11430009
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小野 隆弘 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (60108628)
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研究分担者 |
谷村 賢治 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00217150)
井手 義則 長崎大学, 環境科学部, 教授 (20136691)
生野 正剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80128149)
中村 修 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (10222168)
奥 真美 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (30304968)
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キーワード | 都市ごみ管理 / 地域公共経営 / 日独比較 / 公・民のパートナーシップ / 拡大生産者責任 / 民営化 / 広域化 / 産業間・地域間リンク |
研究概要 |
本研究の目的は、90年代の循環型社会への政策転換がもたらした従来の自治体主導の公共的なごみ処理の構造変化を解明し、廃棄物抑制のための社会経済的条件の整備と新たな公共政策を展望することにあった。日独比較調査をふまえ、次の3つの課題を取り上げた。 (1)都市ごみ管理の自治体経営としての構造分析 ごみ処理サービスのコスト構造とファイナンスの全体を視野に捉えた上で、その他の公共サービスとの比較を視野に入れ、(1)処理・リサイクル責任、(2)都市ごみ管理の組織形態、(3)外部委託やPFIなど民営化への対応、(4)ごみ処理手数料の経済的手段としての有効性をまとめた。この点は、今年度3月23-6日に京都で「循環型社会と自治体経営」」というテーマで、日独の代表的な研究者を一同に集めて開催するワークショップとシンポジウムに集約される。 (2)廃棄物処理・リサイクル市場の変容と産業間・地域間リンクの調査検討 (1)公共的ごみ処理サービスの変容と地域の環境産業としての自立的形成の可能性を、長崎県等の既存の調査と廃棄物処理業に対するアンケート調査にもとづき解析した。この点は、(2)の広域化・大規模集積化との潮流との関連もあり、諌早における広域事業計画と甘木・朝倉地区での広域化事業による生ごみ堆肥化への影響についての事例研究をふまえ、北九州をはじめエコタウン事業の進展で加速化する九州の地域間・産業間リンクの展開を解析し、長崎地域の今後の展望を描いた。 (3)環境調和型ライフスタイルの提案と地域公共経営としての総合化 発生回避を優先する政策のためには各主体の自主的な取組みを地域で活性化する方策や制度環境が多彩に工夫される必要があることを、(1)ミュンヘンでの発生回避策の工夫、(2)事業者レベルでのエコ商店街、(3)コンビニ・自動販売機にみられる買物行動の分析調査によって考察し、各主体が連携可能な地域公共経営のデザインを検討した。
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