技術のグローバルスピルオーバーとその競争力構造に及ぼす理論的・実証的分析

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11430022
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 渡辺 千仭 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (60220901)
• 研究分担者: 勝本 雅和 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (90272674) ; 宮崎 久美子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (20281719) ; 木嶋 恭一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10134826) ; 柴 直樹 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (50226164)
• キーワード: 技術経済 / 技術経営戦略 / 進化経済学 / 競争力 / スピルオーバー / 技術移転

研究概要

本年度は4年間の研究の第2年度であり、データ構築・マクロ分析フェーズと位置付けられる。初年度の研究により得られた理論的知見を産業、企業、主要技術の各レベルにおける分析に適用した。
(1)設計・体制構築
電機産業、製薬産業をはじめとしたハイテク産業において、主要企業の財務諸表に加えて特許、研究開発投資等の技術経済分析に用いるデータを収集・整理し、その整合性を検証した。また、これらのデータへの研究分担者のアクセスを容易にするため、インターネット上にデータベースを構築した。
(2)理論的解明
初年度における専攻研究の調査等を踏まえ、最適化理論を応用したグローバルスピルオーバーとその競争力構造を分析するためにプラットフォームを構築した。
(3)計測手法開発
システム理論を援用した技術弾道モデル、スピルオーバー、モデル等を開発することにより、収集したデータを用いて技術のスピルオーバー効果の計測を可能とした。
(4)実証分析・評価
上記の成果を活用しつつ、電機産業、製薬産業をはじめとしたハイテク産業、またハイテク産業に属する主要企業、太陽電池、心臓病治療薬等の個別技術の各レベルにおいて、技術のグローバルスピルオーバーを計測し、スピルオーバーの活用が技術競争力の確立の鍵になることを示した。

研究成果

• [文献書誌] Chihiro Watanabe: "Industrial Dynamism and the Creation of a Virtuous Cycle between R&D, Market Growth and Price Reduction"Technovation. 20,No1. 299-312 (2000)
• [文献書誌] Chihiro Watanabe: "The Interaction between Product Concept and Institutional Inducement : A New Driver of Product Innovation"Technovation. 20,No1. 11-23 (2000)
• [文献書誌] C.Waranabe: "Strategic Energy Decisions in the Asia-Pacific Region : Energy Efficiency Improvement through Slow-Track Development,"International Journal of Environmental Technology and Management. 1,No.1. (2000)
• [文献書誌] K.Miyajzaki: "Growing Complexity in Technology Management : the Case of the Japanese Automobile Sector,"Technological Forecasting and Social Change,. 64. 39-54 (2000)
• [文献書誌] 柴直樹: "産業構造の進化のシミュレーション"組織科学. Vol,34,No2. 46-58 (2000)
• [文献書誌] 柴直樹: "企業行動の類型にもとづく産業の構造変化の分析-日本のオートバイ業界を対象にした多元的アプローチから"経営情報学会誌. Vol8 No4. 1-18 (2000)