研究課題/領域番号 |
11430024
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田邉 信義 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (60272788)
|
研究分担者 |
周佐 喜和 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (50216149)
山倉 健嗣 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (90126384)
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (30018048)
中村 博之 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (20217889)
|
キーワード | 地域開発 / 地域企業 / 環境マネジメント / イノベーション / 組織間関係 / 企業社会会計 |
研究概要 |
今年度は、伝統的な地場産業や地域開発事業の経営変革の現状についての事実認識を深めるべく、資料・情報収集を行った。具体的には、地域産業や地域開発に関する中小企業論や経営学関係の文献収集を行うと同時に、沖縄(観光産業)、富山・高岡(製薬などの伝統的な地場産業)、滋賀東部(地域エコ開発)などの訪問調査を実施した。そこでは、地域産業や地域社会の発展や活性化のためには、個別の地域企業での競争優位獲得という視点だけでは不充分で、地域企業間あるいは地域企業と行政機関などの他組織との間のネットワーク構築の仕方まで視野に入れる必要性が確認された。特に、環境変化に直面した地域の産業構造の変革を行う場合には、組織間関係の再構築のマネジメントがキーであることが判明した。このような組織間関係のマネジメントを見る際に重要と思われる視点として、以下のような点が浮かび上がってきた。(1)産地における産地問屋など、地域企業間や他組織との組織間関係をデザインする企画能力を持った主体の存在。(2)地域の経済的資源だけでなく、社会的・歴史的・文化的資源まで活用するとともに、生態的資源の持続的活用まで視野に入れた地域開発戦略の必要性。(3)地域開発の正当性という資源の意味の高まりと、正当性獲得をめぐる組織間のパワー・マネジメントの重要性。(4)多様な参加者と目標を持つ地域開発の成果を測定するための指標や測定制度を構築することの重要性。ただし、以上のような要素の持つ重要性は判明したものの、以上の要素を踏まえた具体的な地域開発マネジメントのモデルを構築するには至らなかった。この作業を続行して成果を公表するのは、次年度以降の課題として持ち越した。
|