研究課題/領域番号 |
11430027
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
林 倬史 立教大学, 経済学部, 教授 (50156444)
|
研究分担者 |
金子 秀 埼玉大学, 経済学部, 助教授 (20204555)
菰田 文男 埼玉大学, 経済学部, 教授 (60116720)
|
キーワード | ハードウェア技術 / ソフトウェア技術 / 製品開発 / 技術連関構造 / 国際分業 |
研究概要 |
研究代表者の林は、製品開発プロセスにおけるハードウェア技術の開発とソフトウェア技術開発との連関の問題と位置付けを研究してきた。昨年度に引き続き、半導体製造装置の中核的位置を占めている露光装置の開発プロセスにおいて、構成要素技術群に関連するハードウエア技術の構成を1990年、1995年および1998年にわたって吟味してみた。データは米国特許のデータベース[INPADOC]からオンライン検索によって入手し、それによってこの間の露光装置構成要素技術群のハードウェア技術群の推移をある程度確認できた。さらに、研究分担者の菰田と金子(埼玉大学)が行ってきた、露光装置を構成するソフトウェア技術関連の構成要素技術群の確認と推移に関する検出結果とを合成し、露光装置の技術群がどのようなハードウェア技術とソフトウェア技術群から構成されているか、およびそこでのソフトウェア技術群の構成比の推移を分析中してきた。 最終年度は、さらに、同装置の開発プロセスにおいてハードウェア技術群の開発とソフトウェア技術群の開発のすり合わせプロセスをヒアリングによって確認していく作業を行ってきた。 本年度の調査によって新たに生じた研究課題は、製品開発の際に、他企業とのいわゆる戦略的提携による設計・開発の分担化が増大してきた点にあった。こうした国際的な研究開発の共同化と分業化がどのようなプロセスを経て製品開発へと具体化していくのかという点にも研究上のメスを入れていく必要性が高まってきた。しかも留意すべき点として浮上してきた新たな課題は、ハードウェア関連の構成部品の一部が中国からも輸入されるケースが生じてきた点であった。こうした諸点を踏まえると、日本国内で製品開発する場合においても設計の段階から海外からハードウェア・ソフトウェア双方とも国際分業していくことが前提となってきていることを踏まえながら日本製造業独自の研究開発体制を構築していくかが喫緊の課題となってきた点が指摘されうる。
|