研究課題/領域番号 |
11430029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
百合野 正博 同志社大学, 商学部, 教授 (20104606)
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研究分担者 |
石原 俊彦 関西学院大学, 産業研究所, 教授 (20223018)
内藤 文雄 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (80188862)
伊豫田 隆俊 甲南大学, 経営学部, 教授 (60184834)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 財務諸表監査 / 保証業務 / 証券金融 / 投資家保護 / 会計専門職 / 独立的検証 / 概念フレームワーク / 地方自治体監査 |
研究概要 |
われわれは「財務諸表監査における監査の保証水準に関する実証的研究」を4年間にわたって行ってきた。 本研究を発足させた契機は、わが国の監査実務と監査研究の両面に対して多大の影響力を有している英米圏の国々において会計士監査の業務の領域が著しく拡張するとともに、その中心的課題の一つが監査の保証水準の問題だったからにほかならない。 しかも世紀転換期を挟んでわが国は会計・監査をグローバル・スタンダードに近づけようとしていた ところが、周知のように、わが国の会計・監査を取り巻く社会的経済的環境はその後劇的に変化した。とくに、デフレの長期化のプロセスにおいて会計・監査に対する信頼が揺らぎ始めることとなった。 時を同じくして、アメリカにおいても会計士監査の信頼性に対する疑念が生じた。そしてその疑念は、ついには世界規模の巨大会計事務所の一つをこの世界から消し去り、企業不正を取締る新法を生むまでになった。 このような現状のもと、われわれは、財務諸表監査における監査の保証水準以外にもいくつかの見落とすことの出来ない重要問題が存在しているとの結論に達した。 それらは、1.財務諸表監査が機能する基盤となるべき証券金融そのものと証券投資家保護の重要性に対して依然として残っているわが国の考え方の未熟さの認識、2.証券市場が不完全である現状において、証券市場よりも相対的に重要な領域、たとえば地方自治体や国における会計・監査の果たす重要な役割の認識、3.財務諸表監査にのみとどまらない、会計専門職によるさまざまな監査の概念フレームワークの構築、といった重要な問題点に集約できる。 スタート時点における共通の問題意識そのものは大きく変わらざるをえなかったものの、現在のわが国においてその拡充が強く求められている会計専門職による独立的検証に対する考え方に対して、新たな視点から強固な基盤を与える基本的な研究を成し遂げることが出来たと確信している。
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