研究概要 |
既約正則概均質ベクトル空間(SL_5×GL_3,Λ_2【cross product】Λ_1)の相対不変式のフーリエ変換の計算は、無限軌道をもつために超局所解析が使えず、また普遍推移性ももたないので岩沢テイトの理論も使えず、長い間、未決定であった。このたび弱球等質空間へ移行して、計算をより次元の小さい三つの概均質ベクトル空間に帰着させて、それらを合成する、という形で計算することができた。実は、もっと詳しく(SL_5×P_<1.1.1>,Λ_2【cross product】Λ_1)の三つの相対不変式に関するフーリエ変換の計算が得られた。 弱球等質空間X=Λ^2SL_5\GL_<10>は4つの放物型部分群P_<1117>,P_<1171>,P_<1711>,P_<7111>の作用で概均質空間になる。(SL_5×P_<1.1.1>,Λ_2【cross product】Λ_1)のフーリエ変換は、P_<1117>【tautomer】P_<1711>に対応しているが、これをP_<1117>【tautomer】P_<1171>,P_<1171>【tautomer】P_<1711>,P_<1711>【tautomer】P_<7111>の三つにわけると、それぞれが8次元の概均質ベクトル空間に対応し、その相対不変式のフーリエ変換の計算は、二つの場合は超局所解析学が使えて、残りの一つは岩沢テイト理論を使うことができて、結局計算ができた。 概均質ベクトル空間のフーリエ変換を弱球等質空間で考えて簡単なものに分解し、それぞれで計算してから、それらを合成して、もとの式の計算を得る、という考え方が大変有効であることを実証したことになる。また今回、I型の2単純概均質ベクトル空間の相対不変式をすべて具体的に構成することができた。いくつかの場合にコンピュータを用いた。第三に、半単純代数群の表現で有限個の軌道をもつものの分類に関して、An型の場合を完全に解決した。
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