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1999 年度 実績報告書

高次元代数多様体上の対数的標準因子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11440002
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

川又 雄二郎  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)

研究分担者 寺杣 友秀  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50192654)
織田 孝幸  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (10109415)
桂 利行  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
小木曽 啓示  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40224133)
キーワード代数多様体 / 可逆層 / 標準因子 / KLT / 非消滅予想 / 消滅定理 / 固定点自由化定理 / 線型系
研究概要

完備な正規代数多様体Xとその上の可逆層Lに対して,次のような効果的非消滅予想を考えた.「X上のR-因子Bがあって,対(X,B)はKLTであるとし,Lはネフで,さらにL-(K+B)はネフかつ巨大であるとする.このとき,Lの大域切断のなすベクトル空間Vは0ではない.」この予想の背景には次のような事実がある.消滅定理によれば,Lの高次のコホモロジー群はすべて消えるので,Vの次元はトポロジカルな量であるところのLのオイラー標数と一致する.従って,Vという代数幾何学的な量は,本来は非線形的で不安定なはずであるが,実はその次元は安定で自然であることがわかる.また,固定点自由化定理によれば,十分大きな整数mに対しては,mLの完備線形系は固定点を持たないことが知られている.特に,mLの大域切断のなすベクトル空間は0にはならない.さらに,以前証明した対数的標準因子の関係式を具体的な場合に応用しようとすると,効果的非消滅予想が重要になる.例えば,ファノ多様体の構造の研究の重要な方法として梯子を使うものがあるが,梯子の存在をいうためには,対数的標準因子の関係式の右辺における効果的非消滅予想が鍵になる.さて,一般的な場合にはまだこの予想は証明されていないが,いくつかの肯定的な結果を得た.すなわち,Lの数値的小平次元が2以下の場合には効果的非消滅予想が証明できた.また,Xが3次元の極小多様体や,4次元ファノ多様体の場合にも,効果的非消滅予想が部分的に証明できた.これらの結果の証明の過程で,以前に証明した代数的ファイバー空間における半正値性定理を,対数的な場合に拡張して,これを用いた.対数的半正値性定理にはまだ多くの応用が期待できる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "On the extension problem of pluricanonical forms"Contemporary Math.. 241. 193-207 (1999)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "Deformations of canonical singularities"J.Amer,Math.Soc,. 12. 85-92 (1999)

  • [文献書誌] 川又雄二郎: "Index 1 covers of log terminal surface singularities"J.Alg.Geom.. 8. 519-527 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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