研究分担者 |
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
藤原 一宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00229064)
向井 茂 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (80115641)
佐藤 周友 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (50324398)
斎藤 博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (80135293)
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研究概要 |
研究目的:本研究の目的は大きくわけてふたつある。 (1)"複素多様体上の代数的サイクルをHodge理論を使い、周期積分により統制する" (2)"数論的な代数多様体上の代数的サイクルを数論幾何的手法を用いて研究する" 代数的サイクルの研究は最近のモチーフの理論の発展により"モチフィックコホモロジー"の研究の枠組みに拡張されている。これらは現代の代数幾何学及び数論幾何における最も重要な問題の一つとなっている。第一の研究目的で最も名高いのがHodge予想とAbelの定理である。本研究では後者の一般化及び高次元化をモチーフの哲学とHodge理論の融合という立場で行ってきた。具体的な成果としてモチーフの哲学を具現化するChow群上のフィルーター,及びHodge構造の変動の理論を使って定義されるGriffithsのnormal関数の高次元化である高次normal関数とその代数的サイクル(及びモチフィックコホモロジー)への応用が挙げられる。平成12年7月の安曇野における国際会議,及び同年9月のフランス,ストラスブールにおける国際会議,及び平成13年1月の東京大学における国際会議でこれらの成果が発表された。 第二の研究目的で代数体,或いは局所体という整数論的な体上に定義された多様体のモチフィックコホモロジーの研究が最近の成果として挙げられる。Regensburg大学のU.Jannsen教授との共同研究では局所体上のモチフィックコホモロジーの研究が数論幾何の種種の手法(特にp進Hodge理論が重要)を用いることにより研究され,そのような多様体の不分岐類体論が展開されている。また平成12年8月の九州大学における代数学シンポジウムにおいてこの成果が発表された。
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