研究分担者 |
野海 正俊 神戸大学, 理学部, 教授 (80164672)
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
向井 茂 京都大学, 数理科学研究所, 教授 (80115641)
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
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研究概要 |
Lie環論的な立場から,Painleve方程式論を明解に展開することは本研究課題のもっとも重要な目的の一つである.野海はこれまでは主にA型の場合を中心に研究してきた.そのためこの方法では,第6Painleve方程式がとらえれなかったが,彼はさらにこの方法を追求し,Lie環<so>^^^^(8)を考えることによって,第6方程式がこのような枠組みのなかで記述できることを示した.新しいLax対を提案するこの記述は今後豊かな応用があるに違いない. 無限次元微Galois理論についても進展があった.すなわち,J. Drachの1914年に書かれたPainleve第6方程式の定義に関する不思議な論文を,我々のGalois理論を用いて透明で明晰にすることができる.我々の理論にしろ,Galois理論にせよ一般にGalois群は計算するのが難しい.上の過程の副産物として,我々のGalois群が計算できる自明でない例が構成でした. J. Drachの論文は1907に書かれたR. Fuchsの論文に基づく.この論文でR. FuchsはPainleve第6方程式がモノドロミー保存変形を記述することを示したのであった.上記の新しいLax形式を導く野海の研究は,R. Fuchsの考察したモノドロミー保存変形が特別の意味を持たないことを意味する.そいればかりか,彼の提案するLax対の方が自然である.したがって,このLax対と微分Galois理論を結び付けることが急務であろう. また,このLax対は第6方程式に付随した梅村多項式と呼ばれる特殊多項式の研究に威力を発揮しそうである.
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