研究分担者 |
北岡 良之 名古屋大学, 多元数理研究科, 教授 (40022686)
中村 博昭 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60217883)
中村 憲 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80110849)
八牧 宏明 熊本大学, 理学部, 教授 (60028199)
橋本 喜一朗 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90143370)
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研究概要 |
1.本研究の初年度でもあり,2回のワーク・ショップを開催して,群論,ガロア理論,代数的教諭に関する情報を収集,整理した.特にカナダから招聘したA.Ledet博士(Queen's Univ.)により,Chr.Jensenによる「近藤予想」の簡明な解決手法が得られた.2.研究代表者は研究分担者の橋本喜一朗と共同して位数2n(nは奇数)の二面体群に対し,n分体の最大実部分体上で簡明な「生成的な」多項式の族を与えた.3.また,n=3の場合に,研究協力者の岸康弘と共同し,この多項式族を用いて2次体で類数が3で割れるものとその不分岐巡回3次拡大体のすべてをパラメトライズすることに成功した.さらに岸は2次体上の高々3のみが分岐する3次の類体のS_<3->多項式による構成法を開発して「鏡像現象」に新たな光を当てた.4.研究分担者の中村博昭は組紐群や曲面の写像類群をめぐるガロア群の作用を研究し,射像直線マイナス3点の基本群における作用原子ブロックとして,これらを他の場合の記述に組み上げていく機構を調べた.また楕円曲線の族から生じる組み紐基本群との比較から,絶対ガロア群がグロタンディーク・タイヒミュラー群の中で満たすべき新しい型の関係式を見出した.5.研究分担者の八牧は研究協力者と共同し,偶数位数の群では非可換なシロー部分群は常に位数2の元と可換になる自明でない元を含むことを証明した.6.更に代数体の単数群に関する研究が進展し,研究分担者の北岡による解析的な手法による分布の考察,並びに,コンピュータを積極的に利用すべく中村憲によって開発された研究手法が成果を上げている.7.また,本年5月にはH.Cohen教授(Bordeaux大)を招聘し,研究分担者の中村憲が中心となってAlgorithmic Number Theoryのワーク・ショップを開催する.
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