研究分担者 |
小池 正夫 九州大学, 数理学研究科, 教授 (20022733)
中村 博明 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60217883)
中村 憲 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80110849)
八牧 宏美 熊本大学, 理学部, 教授 (60028199)
橋本 喜一朗 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90143370)
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研究概要 |
1.本最終年度は過去2年間の準備に基づいて国際研究集会「Galois Theory and Modular Forms」を開催し,そのため海外からエクスパートと新進気鋭の若手の研究者5名を招聘した.報告集はKluwer Acad. PublishersのシリーズDEVMから出版される運びである.2.これら5名の招待講演者以外にも,情報と指導を得るために海外から3名の研究者を招聘して研究の進捗を果たした.例えばA. Ledetは「ネター問題」に対して古典的な不変式論を復活させたアプローチを提示し,研究分担者の徳永はS_4とA_4に対して,その代数幾何学的なモデルを提示した.3.また,A. Brumerは,ガロアの逆問題と保型形式に関連する広範な情報を提供して研究分担者の橋本とともに研究計画の進展に貢献した.特に,橋本は位数10の二面体群に対する研究代表者との昨年度の成果を発展させ,有理数体上の「生成的5次多項式族」を明示的に与えた.4.さらに橋本は,正定値4元数環に関連するテータ函数を体系的に検討した.5.中村博昭は代数曲線のモデュライ空間における標準的な無限遠基点を代数幾何的に構成してガロア群の基本群への作用を決定し,昨年度の成果を発展させた.6.蔵野は有限生成アーベル群による次数付き環のChow群が斉次素イデアルと斉次元によって決まることを示した.7.小池は算術的三角群に関する保型形式,符号理論,超幾何函数の関連を見た.8.数論面の成果としては,栗原はR. Greenbergとの研究討議を重ねてGreenberg予想についてのp=3の場合の小松等の結果を一般の奇素数に対する枠組みに広げ,著しい実験結果をp=3,5の場合に与えている.また,中原はある種の虚アーベル体について,ハセの問題に関する成果をあげた.9.研究代表者三宅は最終年度を締めくくるべく,数論における代数的と解析的アプローチに関して歴史的な側面からみた総合報告をまとめた.
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