研究分担者 |
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30252571)
今野 宏 東京大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (20254138)
上 正明 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (80134443)
望月 拓郎 大阪市立大学, 理学研究科, 助手 (10315971)
小谷 元子 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50230024)
|
研究概要 |
1 本研究の主目的は,K理論版Seibert-Witten理論の展開と応用であった.以下の(1),(2)はそれに直接添うものであり,(3)は線形版の考察,(4)は代数幾何からのアプローチである.(5)は(4次元多様体の代りに1次元多様体を考察するという意味で)測地線に対するアナロジカルな研究といえる. (1)南,亀谷,古田はK理論版及び安定ホモトピー版のSeiberg-Witten不変量の応用として,ある条件のもとでSW不変量の間に関係式が成立することを見出した.さらに安定ホモトピー版のFoerホモロジーの定義の研究が進行中である. (2)上,古田はODの福本善洋(指導教官古田)とともに,K理論版Seiberg-Witten理論を3次元トポロジーに応用した. (3)古田は,位相的K群の新しい定式化を用いてBott周期性・Thom同型をFourier-向井変換の形に定式化した. (4)望月は,代数幾何の立場からモジュライ空間の特異点のDonaldsonあるいはSW不変量に対する寄与を研究し,ひとつの解決法を提案した. (5)小谷は,負曲率閉多様体のホモロジー類を指定した素側地線定理の漸近項に現われる係数がホモロジー類にどのように依存するかを調べた. 2 物理と数学との接点と関係する新しい知見として,以下の研究および検討がなされた. (1)後藤はミラー対称性がG_2多様体のある種の拡張に対しても定式化される可能性を見出した. (2)今野はHiggs束のモジュライへの応用を睨みつつ,超kahler商のコホモロジー環の構造をtoy modelにおいて解明した. (3)「Seiberg-Witten不変量=Gromov-Witten不変量」の証明の機構と,t'Hooftによる双対性を用いたクォークの閉じ込めへのアプローチとの類似について,古田の報告に基づき,当研究の分担者が主なメンバーを占める研究会において数学になる部分と純粋に物理である部分との同定が行なわれた.
|