研究課題/領域番号 |
11440024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
荻上 紘一 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10087025)
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研究分担者 |
剱持 勝衛 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004404)
神島 芳宣 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10125304)
大仁田 義裕 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183764)
宮岡 礼子 上智大学, 理工学部, 教授 (70108182)
前田 定広 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40181581)
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キーワード | 部分多様体 / 微分幾何学 / 曲線 / 曲面 / 曲率 / 幾何構造 |
研究概要 |
本年度は、研究課題「部分多様体の微分幾何的研究」の一年目であり、全国規模の研究連絡集会である第46回幾何学シンポジウムを1999年8月に開催し援助した。また、研究課題の一環として、曲面論・部分多様体・リー群・多様体の幾何構造に関する4回の中小規模な研究連絡集会を企画し実施した。どれもレベル高い質の良い微分幾何学の研究が行われた。本研究課題の中心的成果を一部を述べる。荻上紘一・前田定広・足立俊明らは、複素空間形より一般に対称空間やその部分多様体における曲線特に円の研究を発展させて成果を挙げ、整数論的手法の導入など多くの興味ある問題があり、来年度への研究のさらなる発展が期待される。この研究は、高次元空間においても1次元的な対象の挙動がどのように部分多様体の形状を決定するかを具体的に解明するものである。有限次元および無限次元等径部分多様体の重要性は幾何学のみならず増しているが、宮岡礼子は、球面内に等径超曲面の等質性の研究で、可積分系の理論におけるラックス方程式の鼓舞された新しいアプローチで研究しており、g=6,m=1の場合においてその等質性の新しい証明を完成させた。今後の研究が益々期待される。剱持勝衛は、複素空間形内のガウス曲率一定の曲面および平行な平均曲率ベクトルを持つ曲面の分類を、ある非線形常微分方程式を精密に解析することにより得ており、国際的に高水準の雑誌に掲載が決定している。伊藤光弘は、4個の複素射影平面の連結和の上の双対計量の構成で、今野宏は、超ケーラー構造を持つ多様体のコホモロジー環に関する注目すべき結果を与える多様体上に幾何構造の研究に貢献した。また、荻上紘一・中村憲・浜田龍義らにより、研究成果・情報を広範囲に効果的に情報交換するシステム(ppdg)はより良く改善され、研究活動の大いに発展を促した。このシステムを基に国際的な微分幾何学のデータベースの構築など、今後も大きな発展の可能性と課題を持っている。
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