研究分担者 |
鈴木 昌和 九州大学, 数理学研究科, 教授 (20112302)
白石 正人 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (70216183)
上村 英樹 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (00036906)
福田 亮治 大分大学, 工学部, 助教授 (70238492)
江島 俊朗 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00124553)
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研究概要 |
手書き数式の認識の研究は,オンライン数式認識とオフライン数式認識の2つが考えられる。本年度の研究では,オンラインの手書き数式認識の研究を主におこなってきた。数式を認識するオンラインシステムは,未だ実用化されていない。本研究の数学記号の認識エンジンは,二つの認識手法を採用している。一つは,方向線素特徴量を特徴ベクトルとして採用している。もう一つは,書かれた文字の各ストロークをy座標に関して極値をとるところで分割をおこない,分割された部分ストロークを,予め幾つかのパターンに類別しておく。そのパターンの組合わせを特徴ベクトルとして採用している。この2種類の特徴ベクトルを複合して認識をおこなっている。数学記号の認識は,上記の記号認識である程度認識できることが確かめられた。また,数式構造解析をより正確におこなうために,逐次文字認識を採用した。逐次文字認識とは,書かれた手書きの数学記号を認識した後,正解で予め用意された,綺麗な文字に書きなおす。このとき,現在書かれた文字より一つ前の文字との位置関係を考慮して,水平関係,上添字,下添字などの関係を考慮して,適切な位置に再表示する。このようにすることで,数式構造解析を正しく行うことができる。現在開発中のオンライン手書き数式認識インターフェイスを用いて数式処理システムMathematicaの入力システムを開発中である。このシステムを使用することで,手書き入力ができる数学授業支援システムの実用化の目処がたって来た。このシステムは,マウス,タブレット,ペン等を用いて手書き入力された数式をMathematicaのコマンドに変換し,Mathematicaで計算された結果を表示するシステムである。Mathematicaとのデータのやり取りは,Active Mathelinkを使用している。現在,この教育支援システムでは,式の計算,検算およびグラフ表示ができる。来年の課題としては,本システムの応用システム,すなわち数学教育支援システムとしての充実化を図りたい。
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