研究分担者 |
小西 貞則 九州大学, 数理学研究科, 教授 (40090550)
岩本 誠一 九州大学, 経済学部, 教授 (90037284)
柳川 堯 九州大学, 数理学研究科, 教授 (80029488)
百武 弘登 九州大学, 数理学研究科, 助教授 (70181120)
中井 達 九州大学, 経済学部, 教授 (20145808)
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研究概要 |
本研究では,リサンプリング法の有効利用と新しい応用を目指して研究を進めており,本年度は以下の成果が得られた. 1.ノンパラメトリックな統計的推測における統計量の分布の近似を改良する高次の正規化変換を研究し,U-統計量への具体的な応用を求めた.2.反復ブートストラップ法に対して,重み付きブートストラップ法を活用して計算量を軽減する方法を研究し,その有効性をシュミレーションにより確認した.3.非線形度の強い時系列データから,埋め込み次元,遅れ時間,及びリャプノフ指数を推定する理論と方法論を開発した.このとき,推定量の分散の評価にブートストラップ法を適用し,その改善に取り組み実用化を図った.4.予測に有効なモデル評価規準を構成するための理論研究を行い,新たな情報量規準を提唱した.さらに開発した手法へのブートストラップ法の応用を研究した.5.ブートストラップ法の有効利用のために,大きさの制約を満たす条件付き平均の信頼領域を二段階法により近似的に与え,その漸近的性質を求めた.また,近似の良さをシミュレーションにより検証した.6.数理計画法へのリサンプリング法の適用の可能性を検討する中で,制御マルコフ連鎖における二つの期待値評価の分数型基準を新たに導入しすることができた.また,部分観測可能なマルコフ過程における逐次決定問題に対して,ベイズの定理を元にして事前情報と事後情報の間の関係についての性質を求めることができた. 上記の成果を実際に利用可能にするプログラムの開発を目指し,いくつかのプログラムが完成した.
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