研究分担者 |
高信 敏 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40197124)
小川 重義 金沢大学, 工学部, 教授 (80101137)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70155208)
深井 康成 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (00311837)
齊藤 善弘 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 助教授 (30249213)
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研究概要 |
無限次元確率解析に関する研究成果 高信と杉田の共同研究で,有限整アデール環とその上の一様確率測度を利用して,数論的極限定理のいくつかを証明した.有限整アデール環はすべてのp-進整数環の無限直積で得られるコンパクトな無限次元空間であるが,中国の剰余定理によって有理整数環を稠密部分環として含む.そのため有理整数環は有限整アデール環の中で一様に分布する.このことを利用すると,いくつかの数論における密度定理を有限整アデール環での大数の法則として拡張できる.さらに,中心極限定理のスケーリングを考えると,数論的極限定理の中には大変病的な挙動をするものがあることを見い出した.これらの結果を論文として発表するために,現在,準備中である. 確率数値解析に関する研究成果 杉田が1995年に発表した「無理数回転による疑似乱数生成法」が暗号理論的に安全な疑似乱数であって確率論的接近を許すものであることを以下のとおり示した.mビットの整数のパリティを返す関数をfmとすると,mが大きいとき,これは一種のハッシュ関数と考えることができる.これを無理数回転の軌道の上位mビットを整数と見なしてfmを適用すると,mを大きくするとき,理論的には次ビット検定で棄却されない疑似乱数が生成されると考えられる.このことの確率論的反映として杉田の従属性消滅定理(1995)があると解釈できる.この結果は,2001年夏ソウルで開かれる国際会議the 53rd Session of the ISIで発表予定である.
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