研究分担者 |
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
三好 哲彦 山口大学, 理学部, 教授 (60040101)
三村 昌泰 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50068128)
川口 正美 三重大学, 工学部, 助教授 (30093123)
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
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研究概要 |
次の現象を主に扱った。 1)空間的にスパイラル状に広がっていく光感受性ベル-ソフ・ザボチンスキ-反応のパターンおよび燃焼合成反応でのヘリカル進行波の出現メカニズム 2)複雑で自己組織的に制御されたバクテリアコロニーパターン成長の数学的メカニズム 3)高分子溶液でのヴィスコスフィンガリングと泡の動きに関するヘレ・ショウセル実験 4)多孔性媒体流れにおける拡散と吸収のバランスによって生じる浸透域の分離現象 6)破壊力学に現われる亀裂パターンの伸展についての数理モデル 7)結晶成長に関する幾何学的モデル。 得られた成果は以下の通りである。 1)と2)ではその本質的な部分のモデルは,反応拡散系方程式に統一的に記述され,特異極限法と分岐論を用いて解析された。 3)では,シア・シニング指数を考慮に入れることによって修正ダルシー則が導かれている。これによって予測されるフィンガリングの成長速度が実験と一致していることが確認された。 4)では,吸収効果と拡散効果をもった非線形放物型方程式が得られた。この方程式から、浸透領域(サポート)の分離現象を再現するための十分条件が得られた。 5)では,亀裂の伸展の方向と曲率で結合されたいくつかの関係式が得られた。これらの関係式が簡単な例について成立することが確認された。 6)では,結晶成長面と粒界のモデルが微分不可能なエネルギーを持った勾配系で記述されることが提案されている。そのモデルの正当性を示すための数学的基礎が確立された。更にその解がどのように時間発展するかについて理論解析と数値解析の両面から示されている。
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