研究概要 |
(I)H,Kをヒルベルト空間とし,A,Sをそれぞれ,H,K上の自己共役作用素とする.Fb(K):=【symmetry】^∞_<n=0>【cross product】^n_sKをK上のボソン フォック空間とし,dΓ(S)をSの第二量子化作用素とする.H_IをF:=H【cross product】Fb(K)上の対称作用素とする.このとき,粒子と量子場が相互作用をする系の諸々のモデルを統一する抽象的ハミルトニアンのひとつは,F上で働くH:=H_0+H_Iという形の作用素であたえられる.ただし,H_0A【cross product】I+I【cross product】dΓ(S)(Iは恒等作用素).この形の作用素は本研究で初めて提出されたものであり,次の結果が得られた:(i)A,S,H_Iに関するかなり一般的な仮定のもとで, {E_0(H)+λ|λ∈σ_<ess>(S)\{0}}⊂σ_<ess>(H). ただし,σ_<ess>(・)は本質的スペクトルを表す.(ii)(i)と同様の条件のもとで,もし,σ_<ess>(S)=[0,∞)ならば, σ(H)=[0,∞). (iii)これらの抽象的結果を粒子と量子場が相互作用をする系の諸々のモデルに応用し,新しい結果を得た. (II)Dirac粒子と量子輻射場が相互作用をするモデルを考察し,そのハミルトニアンの自己共役性の問題やスペクトルを解析した. なお,研究の進展にともない,新しいディスプレイが必要になったのでこれを購入した.
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