研究概要 |
研究代表者の主要な成果は次の通りである. (1)相対論的なスピン1/2の荷電粒子-Dirac粒子-が量子輻射場と相互作用をする系のハミルトニアンのスペクトル解析をおこなった.これに関する主な結果は以下の通りである:(i)Dirac粒子に対する外的なポテンシャルVの荷電共役-パリティ不変性に付随する,ハミルトニアンHの物理的に自然な自己共役拡大の存在の証明.(ii)ある妥当なクラスのVに対するHの本質的自己共役性の証明.(iii)V=0の場合に,H=∫^<【symmetry】>_<R^3>H(p)dpという直積分分解ができることの証明. (2)粒子と量子場が相互作用をする系におけるハミルトニアンの真性スペクトルの普遍的な構造を明らかにした. (3)一般化されたスピンボソンモデルの基底状態の存在および非存在の条件を詳しく解析した. (4)質量0のネルソンモデルを非フォック表現で考察し,基底状態の存在を証明した. 研究分担者の主な研究成果は次の通りである. (a)非線形弾性波の大域解の存在(上見). (b)一般の非可換シフトの自己同型に対するRohlinの性質に関する研究(岸本). (c)定常過程の部分自己相関関数の漸近挙動の研究(井上).
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