研究課題/領域番号 |
11440041
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
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研究分担者 |
中西 知樹 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (80227842)
木村 芳文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
青本 和彦 名古屋大学, 名誉教授 (00011495)
南 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40271530)
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
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キーワード | 特異偏微分方程式 / 形式的巾級数解 / 収束,発散 / ポアンカレ条件 / ジュブレイ指数 |
研究概要 |
今年度は主に複素解析的な非線形偏微分方程式の特異点における形式的巾級数解の構造の研究を行った。具体的には一階非線形偏微分方程式に対して、特異点の概念を一般的に定義し、それは線形方程式に対しては従来のものと変わりが無いが、非線形方程式の場合には、解に応じて変わりうるものである事を明らかにした。 さらに、特異点の分類の研究を、特異点における形式解巾級数解の収束、発散の問題と捉え、そのような場合の特徴付けのの研究を行った。一般化されたポアンカレ条件のもとでの形式巾級数解の収束性を証明し、そうで無い場合(発散級数解になる場合)には、発散の程度を与える指数(ジュブレイ指数)の決定がどのようになされるのかの基本原理を明らかにした。また、これらの証明の基本原理は古典的な優級数法の改良版であった。この方法が解析的な非線形偏微分方程式の多くの問題に有効に用いられ、Cauchy-Kowalevskiの定理を始め、グルサー問題や種々の特異方程式に解の存在定理の証明が格段に易しくて、しかも短くなることが明かとなった。 これらの結果を、2002年7月にギリシャ、パトラス大学で開催された偏微分方程式に関する国際会議で発表した。また、2003年1月にプィリピン大学で開催されたワークショップでは、上の述べた理論全体を概観する講演を行った。
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