研究課題/領域番号 |
11440046
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西谷 達雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127117)
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研究分担者 |
大鍛治 隆司 京都大学, 理学部, 助教授 (20160426)
梶谷 邦彦 筑波大学, 数学系, 教授 (00026262)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60115938)
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50114088)
一 瀬弥 信州大学, 理学部, 教授 (80144690)
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キーワード | 準対称化 / 初期値問題 / 非可換行列式 / 高階双曲系 / 対称系 |
研究概要 |
1.当該年度の前半において研究代表者はPisaのS.SpagnoloおよびF.Colombini氏と二ヶ月にわたって共同研究をおこない、双曲型方程式系のなかで最も重要である対称化可能系を拡張した概念として「準対称化可能系」の概念を導入し、それに対する初期値問題の適切性に対する肯定的な最初の結果を得た。今のところ空間一変数の場合しか扱えていないので多変数の場合をどう扱うかが今後の課題である。 2.BolognaのA.Bove氏とも2ヶ月にわたる共同研究を行い、双曲型方程式系に対する初期値問題が適切となるための低階に対する一般的な必要条件を、ラージパラメーターをもつシンボルのなす非可換体上の行列式をつかって表現することに成功した。まだ階数に対して強い制限はついているが、低階に対する一般的な必要条件が双曲型方程式系の基礎理論にもっとも欠けている部分の一つであり、これを求めることが我々の目標の一つであった。階数に対する制限なしにこのような必要条件を得ることが今後の研究課題である。 3.今後の主要研究課題の一つは高階双曲型方程式系であると思われる。高階双曲型方程式系はしばしば一階の系とは際立った違いをもっている。そこで当該年度の後半では若手研究者のために海外から二名、国内から三名の研究者を招いて、高階の双曲型方程式系に対する初期値問題の適切性、散乱理論、解の特異性の伝播、固有値の存在、非存在等に関する3、4回の連続講演を開催した。若手研究者の今後の研究の指針になると期待される。
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