研究分担者 |
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
野海 正俊 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80164672)
梶原 健司 同志社大学, 工学部, 助教授 (40268115)
高崎 金久 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (40171433)
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研究概要 |
平成12年度に,この研究により得られた主な結果は以下のとおりである. 1.『アフィンワイル群の双有理表現』パンルベ方程式のベックルント変換として現われるアフィンワイル群の双有理表現は,本研究の主要テーマであり,野海と山田が系統的な研究を進めて来た.特にこの1,2年の研究の結果,こうした表現を,アフィンリー環の表現論や対応する(より一般のKac-Moodyリー環の)ポアソン代数を基礎として,極めて一般的な形で定式化することに成功した.この結果,タウ関数の基本性質であるコサイクルの多項式性の予想を解決するとともに,Drinfeld-Sokolov方程式系との関連を明白に理解できるようになった. 2.『qパンルベIV方程式とその特殊解』1.で述べたアフィンワイル群の双有理表現は,ルートのパラメータについて加法的な表現である.そのq変形版にあたる乗法的な表現については,数年前に雛型となる表現を得ていたが,その後進展はなかった.本年度の研究で,梶原,野海,山田は,この乗法的表現をベックルント変換とするようなパンルベ方程式を考察した.特に,ルート系がA^<(1)>_2の場合に対応する方程式として,q差分パンルベIV方程式と呼ぶべきもの(の対称形式)を構成することができた.さらに,この系の特殊解を考察し,qエルミート解やq岡本解および,そのベックルント変換の系列全てを具体的に決定した. 以上の結果は学会や国際会議等で発表し,学術論文として投稿中である. 3.『その他の研究』関連して,ワイル群の組合せ論的表現とその対称関数への応用,および初期値空間の構成等についても,いくつかの進展があった.
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