研究課題/領域番号 |
11440056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
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研究分担者 |
廣川 真男 岡山大学, 理学部, 助教授 (70282788)
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
酒井 隆 岡山大学, 理学部, 教授 (70005809)
島田 伸一 摂南大学, 工学部, 助教授 (40196481)
伊藤 宏 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243005)
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キーワード | シュレディンガー作用素 / スペクトル理論 / 磁場散乱 / アハロノフ・ボウム効果 / 散乱振幅 |
研究概要 |
本研究の主題は、磁場をもつシュレーディガー作用素に、対するスペクトル・散乱問題であり、アハロノフ・ボウム(Aharonov-Bohm)効果と呼ばれる量子効果の数学的究明に力点をおき、本年度は次の二つの課題に取り組んだ。 1.低エネルギー領域での磁場散乱: 低エネルギー領域での2次元磁場による散乱振幅の漸近性とその関連問題である小さい台をもつ磁場による散乱、あるいはその極限として得られるδ型の特異性をもつ磁場による散乱問題を解析した。本課題は数年前より取り組んできたもので、得られた研究成果を公表した(Nagoya Math J)。 2.複数個の磁場による散乱: 分担者伊藤宏(愛媛大)との共同研究として、現在本格的に取り組んでいる課題である。2個(簡単のため)の磁場の中心をもつ磁場による散乱を考える.対象となるハミルトニアンは(-i∇-A_1-A_2(・-d))^2である。目的は、磁場の中心間の距離|d|が離れたときの散乱振幅の漸近的挙動を解析し、磁場b_1(=∇×A_1)による散乱にポテンシャルA_2がいかなる影響を及ぼすか調べることである。研究成果はまだ満足すべき域に達していないが、中間的結果を2編の論文として現在まとめている。 磁場散乱は渦システムによる音波の散乱とも密接に関係し、今後の課題として重要かつ興味あると思われる。上記課題に加えて関連課題として、勝田、廣川、島田らの分担者らによって、グラフ上の離散作用素、場の量子論に現れるハミルトニアン、アハロノフ・ボウムハミルトニアンのスペクトルについて研究がなされた。
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