研究分担者 |
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
八牧 宏美 熊本大学, 理学部, 教授 (60028199)
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
山田 光太郎 熊本大学, 理学部, 助教授 (10221657)
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研究概要 |
本研究は、Gaussの超幾何関数およびKummerの合流超幾何関数,Bessel関数,Hermite関数,Airy関数などのいわゆる合流型超幾何関数を統一的に扱う一般超幾何関数の枠組とSoliton方程式やPainleve方程式等の非線形可積分系との関連を明らかにすることを目標としている。今年度は、主に非線形可積分系について研究を行ない次の結果を得た。 ・Painleve VI型方程式の多変数への一般化であるGarnie系に対して、その大域解全体を空間(これを初期値空間とよぶ)を複素多様体として構成していた。この結果を2変数Garnie系が退化している場合に考察し、その初期値空間を構成した。この退化したGarnier系は、(2,5)Grassman多様体上の一般超幾何関数(一重積分表示を持つ場合)の一つを特殊解として含む。 ・(r,n)Grassman多様体上の一般超幾何関数(多重積分表示を持つ場合)と非線形可積分系との関連を探る実験として、Pfaff系に対するモノドロミー保存変形を考察し、具体的な非線形方程式を得た。 ・ガンマ関数Γ(α)は合流型の一般超幾何関数の中で最も簡単なものであるが,公式 Γ(α)Γ(-α)=(2πi)/α(2i)/(e^<πiα>-e^<-πiα>) が知られている。この公式の右辺のfactor 2πi/αはMatumotoによってガンマ積分に付随した有理的de Rhamコホモロジー群の生成元の交点数として理解されることが示された。この結果を一般化して、一重積分で定義される一般超幾何関数についてそのコホモロジー群の基底をうまく選びその交点行列を具体的に与え、この交点行列が超幾何関数の独立変数によらないことを示した。また、このような明示的な公式が、一般超幾何について構成した合流の操作でも得られることを示した。
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