研究課題/領域番号 |
11440058
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木村 弘信 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40161575)
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研究分担者 |
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
古島 幹雄 熊本大学, 理学部, 教授 (00165482)
八牧 宏美 熊本大学, 理学部, 教授 (60028199)
岩崎 克則 九州大学, 数理学研究院, 教授 (00176538)
原岡 喜重 熊本大学, 理学部, 助教授 (30208665)
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キーワード | Painleve方程式 / 交点理論 / 合流 / 超幾何関数 / de Rham cohomology / Veronese variety / cohomological intersection number / generalized Airy function |
研究概要 |
本年度の主な研究成果は、可積分系ではPainleve方程式の幾何学的研究であり、超幾何関数に関しては、交点理論の進展である。6個あるPainleve方程式のそれぞれに対して、解全体をパラメトライズする空間(初期値空間)が構成され、それらには自然にsymplectic構造が入ることや、初期値空間の幾何学的構造が方程式を本質的に決定してしまうことが示されている。Takanoは、合流と呼ばれる方程式間の極限操作による移行が、初期値空間のレベルでの極限操作による移行を引き起こすことを示した。それは、symplectic多様体の範疇での極限操作として実現されている。 超幾何関数の交点理論については、今までにAomoto-Gelfand超幾何関数(グラスマン多様体で定義された確定特異点のみを持つ偏微分方程式系で特徴づけられるもの)の場合か、合流型も含めれば一重積分で表されるものにしか理論ができていなかった。最近Iwasakiは、polynomial twisted de Rham cohomologyについてのdualityに関する一般的な定理を示し、その応用としてIwasaki & Matsumotoはgeneralized Airy関数の場合にcohomological intersection matrixを計算した。しかしそれはgeneralized Airy関数の定義域の特別な1点におけるものであった。われわれは、extended Veronese varietyと呼ばれる定義域の部分多様体を定義し、その点で,cohomology群の構造を決定し、intersection matrixを具体的に計算した。これはIwasakiの結果を進展させ、generalized Airy関数に対する2次関係式を与えるという応用を持つ。cohomological intersectionの具体的決定は、一般の合流型超幾何関数の場合は以前として未解決である。
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