研究課題/領域番号 |
11440059
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
菊池 紀夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80090041)
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研究分担者 |
利根川 吉広 北海道大学, 理学部, 助教授 (80296748)
金井 雅彦 名古屋大学, 理学部, 教授 (70183035)
戸瀬 信之 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00183492)
三沢 正史 電気通信大学, 講師 (40242672)
小俣 正朗 金沢大学, 理学部, 助教授 (20214223)
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キーワード | 変分問題 / モース流 / 調和写像 / 非線形最適化 / 非線形波動 / 差分-偏微分方程式 / 離散モース流 / Rothe近似 |
研究概要 |
一般臨界点解析を目指して提案しました「Morse流の構成法」の基礎解析を続けました。調和写像型の変分問題にあってそのMorse流の構成問題をHolder空間に頼らずに直接Sobolev空間H^1(Ω)で扱うことが出来ます。近似解を変分問題の最小化性に訴えて構成しますのでその∂u/∂tなどの評価が容易に得ることが出来、「係数のHolder連続性に依存して得られるSchauder評価・Leray-Schauder理論」では扱えない問題もこの方法では扱えることがあることに気付きました。それは2階の主要項の係数に(Sobolev空間からの)未知関数が含まれ,空間変数に関して滑らかさのない係数を持つ問題であります。したがって、超伝導や液晶の問題のように特異性を持つことに意義のある問題に直接適用出来ることとなり、この方法の特徴を表しています。「Nash-Moser型の放物型方程式のRothe近似解が近似に依存しないH評価を持つ」に引き続いて「Rothe近似のHolder空間での収束性を示しました。更に楕円・放物型差分・微分方程式系にたいしてCampanato評価の成り立つことを示しました。これはGehring・Giaquinta・Modicaの高位可積分性が離散問題においても成立することを示すことにより得られたものです。その証明のために使いました「離散問題に対するCalderon・Zygmundの被覆性理論」の検討には長期間を要しました。Rothe型近似調和型変分問題を中心に液晶・超伝導の問題で数値実験を行いました。特にその双曲型の問題で特異点・渦の移動問題で興味深い現象を見出し、その可視化を行いました。また極低温で振動をおこす問題の双曲型Ginzburg-Landau vortexが引力で衝突、エネルギー保存により再び跳ね返るところを数値実験で捉え、その挙動の可視化も行いました。「変分問題の最小化性・正則性」が「計算機による数値解析」に積極的に機能している様子が種々の問題で良く見て取れています。
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