研究課題/領域番号 |
11440059
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
菊池 紀夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80090041)
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研究分担者 |
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
石川 史郎 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10051913)
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キーワード | 多変数変分問題 / 非線形最適化 / 最小勾配(モース)流 / Navier-Stokes方程式 / 調和写像とブラウン運動 / 数理ファイナンス / 調和解析と測定理論 / 特異点・漸近解析 |
研究概要 |
多変数変分問題の一般臨界点の数理解析を目指してきました。Morse流を構成してその"時間"極限として臨界点を求めるものです。1983年に提案した離散Morse流法を用いて、近似解を構成しその正則解析を徹底してMorse流を構成するに長期間取組んで来ました。離散Morse流に対する「Holder評価」、「Campanato評価」、「Harnack不等式」、「双曲型方程式へのCampanato理論の試み」などの正則性の基礎理論の整備がある程度自然なものに纏めることが成されたと思います。特に申請者にとりましては、非定常Navier Stokes方程式が次の汎関数の列1/h∫_Ω|u(x-hu(x))-u_<n-1>(x)|^2dx+∫_Ω|▽u(x)|^2dx,(n=1,2,…)をダイバージェンス・フリーのSobolev空間で扱えることに気付いことは嬉しいことでした。その扱いに最小化写像を使える利点がありますので、整備してきた差分偏微分方程式の正則性理論を用いてNavier-Stokes方程式の解の構成に、非線形波動の問題とともに取組で行きたいと思います。谷温之は圧縮性粘性流体の解析において境界からの影響、更に自由境界問題の扱いが多方面の各種問題で検討しました。W.Kendollによる調和写像の確率論は離散Morse流による扱いと共通するものを持ち、並列コンピュターとの扱いに適しており、前島信、田村要造達との研究討論をもっと進めたいと思います。下村俊はPainleve方程式を中心に非線型方程式の特異点解析・漸近解析で成果を得ました。これを展開して擬等角写像理論として調和写像の特異点解析に展開したく思います。また石川史郎は観測問題を関数空間上の多様体上の変分問題と定式化しました。海外の物理学者との交流も成されるようになり、数理解析研究としてのこれからの課題が見出されました。
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