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2001 年度 研究成果報告書概要

星間塵220nm吸収の原因解明

研究課題

研究課題/領域番号 11440063
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 天文学
研究機関電気通信大学

研究代表者

和田 節子  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30017404)

研究分担者 小野 洋  電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00134867)
成沢 孝敏  電気通信大学, 機器分析センター, 助手 (30143712)
村田 好正  東京大学, 物性研究所, 名誉教授 (10080467)
研究期間 (年度) 1999 – 2001
キーワード星間塵 / 220nm吸収 / 炭素質物質 / QCC / 赤外未同定バンド / ダイヤモンド / メチレン / 水素付加
研究概要

われわれは実験室において、メタンをプラズマ化したガスから、炭素質星間塵が示す紫外線220nm吸収とよく似た吸収ピークをもつ炭素質物質(QCC)を合成した。Qccはまた、赤外未同定バンドと似た赤外線吸収バンドを示し、星間塵類似物質であると考えられる。今回、QCCの構造の分析をすすめ、観測スペクトルとの比較をすすめた。また、QCCをはじめとする炭素質物質が、星間空間でどのように変質するかを明らかにするため、低温・高真空下で、紫外線や水素原子などを照射できる高真空装置を設計し製作した。
変質実験の一つとして、水素プラズマガスをQCCに照射し、変質を明らかにする実験を行なった。赤外線や紫外線スペクトル変化やX線光電子分光測定などから、QCCに水素付加が起こり、sp^2炭素からなる6員環の端がメチレンになることがわかった。さらに星周あるいは星間でのショックウェーブ加熱の影響を調べるため、QCCを用いて加熱実験を行った。赤外輻射スペクトルと電子顕微鏡観察で変質を観察したところ、有機質の凝縮物であるfilmy-QCCは、d-QCCのようなオニオン状の炭素質物質へと変化した。加熱変質したQCCの赤外吸収スペクトルは、いろいろなAGB星の周辺で観測される一連の塵の赤外スペクトルと似ている。星の老化に伴う塵の変質について考察を行った。一方、炭素質の凝縮物であるd-QCCを加熱すると、マイクロダイヤモンドが生成することがわかった。隕石中に発見されるダイヤモンドの成因にたいしての関連を指摘した。低温でのfilmy-QCCの赤外吸収スペクトル測定や、偏光子を用いた反射吸収法でのfilmy-QCCの赤外スペクトル測定から、この凝縮物には異方性をもつことがわかった。

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公開日: 2003-09-17  

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