新しい硬X線・ガンマ線天文学を切り開くための次世代ガンマ線検出器の基礎となるガンマ線イメージング素子の開発、および、「あすか」衛星を中心とした多波長観測を通じて、ブレーザー天体のジェットの研究を行った。われわれが開発を続けてきた高いエネルギー分解能を持つテルル化カドミウム(CdTe)半導体をピクセル化するにあたって、もっとも障害となっていたのは、数100ミクロンという一微細幸電極、ひとつひとつに独立なアンプを接合する際のバンプ技術である。CdTeはシリコンと異なり熱や圧力を加えると、性能が劣化するなど、バンプ接合の技術が確立していなかった。われわれは、新しい金スタッドバンプ方式を用いて、CdTeの微小なピクセルをバンプ接合する技術を確立し、各ピクセルの大きさが625ミクロン角で全体で400ピクセルのCdTe素子を読みだし用の基板にバンプ接合し、信号を外側に引きだした後、シリコンストリップ用の1次元ASICを用いて各ピクセルからの信号をフォトン毎に測定する方式を行い、成功した。
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