研究課題/領域番号 |
11440067
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
立松 健一 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40202171)
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研究分担者 |
山本 智 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80182624)
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
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キーワード | 超新星残骸 / 分子雲 / サブミリ波 |
研究概要 |
「超新星残骸と分子雲の相互作用」のサーベイをサブミリ波観測の特長(衝撃波を受けた分子ガスに対して特に高感度)を活かして行うために、サブミリ波望遠鏡(富士山頂サブミリ波望遠鏡、移動型18cm電波望遠鏡)に搭載できる新しい高性能サブミリ波受信機を製作した。本受信機には、消費電力が1kWのコンパクトなGM型冷凍機を使用し、携行性を高めている。まず本年度前半に、受信機のアセンブリを終了し、9-12月の期間に、実験室において、低消費電力型冷凍機の冷却能力試験、超伝導素子の超伝導特性試験、局部発信機からの入力に対する超伝導素子の反応の試験、実験室における受信機雑音温度の測定を行い、総合的な性能を調べた。 この受信機を用いて観測を行うために、2-3月に南米チリの標高4800mの場所(パンパラボラ)に18cm電波望遠鏡ならびにこの受信機を持ち込んで、超新星残骸と分子雲の相互作用のサブミリ波観測を行うことを試みた。サブミリ波は大気の中の水蒸気の吸収を強く受けるために、高地での観測が必須である。受信機の冷却および素子の超伝導特性は確認されたが、残念ながら、天候不良ならびに望遠鏡の部品破損のために天体観測を行うには至らなかった。来年度7月に再度、本受信機をチリに持ち込み、観測を試みる予定である。 この新受信機以前に製作された旧サブミリ波受信機を富士山頂サブミリ波望遠鏡に搭載して、超新星残骸方向の観測をおこなった。従来取得していたCI(1-0),CO(3-2)に加え、新たに13CO(3-2)の観測を行い、光学的厚みを定量的に評価した上で、超新星残骸W51C方向で相互作用による中性炭素原子の相対存在量の増加の証拠を得た。
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