二次粒子生成ターゲットでのハドロン生成不定性に伴うニュートリノ実験の系統誤差を抑えるためには、ニュートリノビーム自身の特性を生成と同時に実時間モニターする必要がある。本研究では、この目的のために使用するエネルギー弁別型チェレンコフ測定器及び電離箱及びシリコン測定器を作成し、ニュートリノビームの特性の研究を行なう。平成11年度には、 ・以下要件を満たしたエネルギー弁別型チェレンコフ測定器システム構築 1.π粒子の方向分布をエネルギー別に計測する必要がある。 2.π粒子の方向分布・エネルギー分布を精度よく測定する必要がある。 3.膨大な一次陽子ビームの中から二次π粒子の情報を選択的に取得する必要がある。 4.高い放射線レベル下で安定した動作が保証される必要がある。 ・エネルギー弁別型チェレンコフ測定器システムを補助する役割を持つ電離箱と半導体固体検出器を用いたμ粒子測定用測定器システムの構築 ・両測定器システムの高エネルギー加速器研究機構ニュートリノビームラインへの設置及び両測定器の各種動作テスト ・高エネルギー加速器研究機構ニュートリノビームラインのニュートリノビーム特性の測定 ・東北大学大学院理学研究科に既存する計算機を用いた測定器のコンピューターシミュレーション及び動作確認のための知識の蓄積 が行なわれ、成果は国内外の学会等で発表された。
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