二次粒子生成ターゲットでのハドロン生成不定性に伴うニュートリノ実験の系統誤差を抑えるためには、ニュートリノビーム自身の特性を生成と同時に実時間モニターする必要がある。本研究では、この目的のために使用するエネルギー弁別型チェレンコフ測定器及び電離箱及びシリコン測定器を作成し、ニュートリノビームの特性の研究を行なった。 平成14年度は、平成12年度までに構築したエネルギー弁別型チェレンコフ測定器が、要件・π粒子の方向分布をエネルギー別に計測する必要がある。・π粒子の方向分布・エネルギー分布を精度よく測定する必要がある。・膨大な一次陽子ビームの中から二次π粒子の情報を選択的に取得する必要がある。・高い放射線レベル下で安定した動作が保証される必要がある。を満たしていることを確認した上で、同じく平成12年度までに構築され、エネルギー弁別型チェレンコフ測定器を補助する役割を持つ、電離箱とシリコン検出器からなるμ粒子測定用システムとともに、高エネルギー加速器研究機構ニュートリノビームラインに設置し、ニュートリノビーム特性測定を継続した。同時に東北大学大学院理学研究科に既存の計算機システムを使用したデータの解析を行ない、成果は学会等で発表された。
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