研究概要 |
本研究課題では、当初の計画に従ってジェット現象をみせる活動銀河核の観測的研究と、硬X線検出器の開発実験を行なった。以下に項目に分けて示す。 1.ブレーザー天体Mkn421の光度変動観測の結果をまとめ、ジェット中の加速とシンクロトロン冷却について観測的な研究をおこなった(Takahashi et al.,2000,ApJ,542,L105)。 2.電波銀河Fornax Aの再観測結果を解析、結果を米国天文学会誌に公表した(Tashiro et al.,2001,ApJ,L19-L23)。この観測によって、電波ローブ中で粒子のエネルギーの高い領域と磁場の高い領域が分離していることを、はじめて観測的に確認した。 3.銀河群HCG62から硬X線超過を検出、銀河群内部での粒子加速の兆候を見いだした。その結果を投稿、審査ののち米国天文学会誌に公表した(Fukazawa et al.,2001,ApJ,L87-L90)。 このほか今年度は、次世代硬X線検出器の開発にむけ、テルル化カドミウム素子をつかった基礎的な開発実験を行った。
|