本研究の目的は、米国ブルックヘブン国立研究所で建設中の高エネルギー衝突型加速器(RHIC)でのPHENIX実験において、電磁カロリーメーターにより光子を測定し、単光子収量の評価からクォーク・グルオン・プラズマ実現の実験的検証を行うことである。PHENIX実験で得られる生データは、解析センターにおいて予備的な解析を経て、各研究機関で処理可能なサイズまで大幅に圧縮される。圧縮された二次、三次データについて、各研究機関において最終的な解析が行われることになるが、その為の解析システムを構築し、シミュレーション及び実際の解析を遂行する。 今年度は、解析システムの根幹である高速ネットワーク、ファイルサーバー一台を含むPC、テープ装置、ディスク装置(の一部)等について、最新の製品について性能検討比較をおこない、物品を購入し、解析装置の大枠を立ち上げた。 上の解析装置の建設・整備と並行して、 ・単光子に関する物理の再検証、 ・現実の状況により似せたシミュレーションコードの作成、 ・解析プログラムの開発、調整 を進めている。現在は、実際のデータに似せたシミュレーションデータを用いて、解析プロセスの総合的なテストを行なっている。
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