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1999 年度 実績報告書

新手法による^<12>C(α,γ)^<16>O

研究課題

研究課題/領域番号 11440077
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

嶋 達志  大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (10222035)

研究分担者 大崎 敏郎  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (80262327)
井頭 政之  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (10114852)
永井 泰樹  大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80028240)
キーワード天体核物理 / 恒星 / 元素合成 / ヘリウム燃焼 / ^<12>C(α,γ)^<16>O
研究概要

重心系エネルギー約300keVでの^<12>C(α,γ)^<16>O反応は、恒星の進化、恒星内部での元素合成に大きな影響を与えるため、正確な断面積データが重要である。実際には300keV 近傍での断面積は非常に小さく、直接測定が望めないため、断面積の大きい約1MeV以上の領域での測定データをもとに推定されている。ところが、1MeV以上の領域でも従来のデータが 2〜3倍の範囲で食い違っており、天体物理学上の重要な問題となっている。そこで本研究では、断面積の高精度測定を目指し、以下の特色を持つ測定系を構築した。
(1) パルスα線ビーム(α線パルスとの時間的相関を利用し、真の(α,γ)事象とバックグラウンド事象を識別)
(2) 濃縮^<12>C標的((α,n)反応の断面積が大きい^<13>Cを除去することにより中性子バックグラウンドを低減)
(3) 入射ビームモニタ (^<12>C標的でラザフォード散乱されたα粒子をシリコン半導体検出器で計数す、入射α粒子数を精度よく決定)
(4) 高感度γ線検出器(^<12>C(α,γ)^<16>O反応からの微弱なγ線を大型・高感度NaI検出器を用いて検出)
この測定系を用いて、重心系エネルギー1.57MeVでの測定を実施し、100時間の測定で、ビーム軸に対して90°方向の微分断面積として0.060±0.014nb/strという結果を得た。この結果は、従来の他グループによる測定のうち、1974年のCaltechグループの結果と矛盾しないものであり、また上記の測定系が低エネルギーでの測定に対しても有効であることを示すものである。また、入射αビームを増強し、さらに標的に含まれる不純物が起こす(α,γ)反応からのγ線を低減させることにより、より低エネルギー領域での高精度測定が可能であることがわかった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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