研究課題/領域番号 |
11440079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 卓 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20243157)
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研究分担者 |
羽澄 昌史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20263197)
瀧田 正人 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20202161)
長島 順清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90044768)
稲垣 隆雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60044757)
原 隆宣 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70283827)
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キーワード | CPの破れ / ガンマ線検出器 / 中性K中間子 / 稀崩壊 |
研究概要 |
CPの破れを生むパラメータの直接的な測定方法として、K_L→π^0υυ^^― の分岐比を測る実験を計画している。この崩壊に対する主なバックグラウンドは、K_L→π^0π^0崩壊でできる4つのガンマのうち2個を見失うことによるものである。このバックグラウンドを抑えるために、崩壊領域をすき間なく検出器で覆い、余分なガンマ線を効率よく検出して排除する。このため、今年度は手始めとして次の事を行った。 まず、コストの面からもっとも有力な検出器は鉛とシンチレータのサンドイッチである。ただし、この場合は鉛の中でガンマ線が吸収されてしまって、シンチレータに十分なエネルギーが落とされていないと、ガンマ線は検出されない。(サンプリング効果)従って、様々な鉛の厚さについてシミュレーションを行い、その不感率をガンマ線のエネルギー関数として求めた。 次に、光核反応による不感率とサンプリング効果による不感率を持つ測定器で崩壊領域を覆う事を仮定した。そして、バックグラウンドの大きさが鉛の厚さ、Kのエネルギーにどう依存するかを調べた。この結果、鉛の厚さが薄くなればなるほどサンプリング効果による不感率は下がるが、バックグラウンドの大きさは、鉛の厚さが1mm以下の場合、ほとんど鉛の厚さに依存しないことが分かった。これは、サンプリング効果による不感率が主となるの30MeV以下の領域のガンマの寄与が十分小さいことを示唆する。従って、むやみに鉛を薄くする必要はない。 また、150GeVの陽子を標的に当てた場合に、K_Lのビーム中に入る中性子のレートとエネルギー分布を Fermilabで測定した。この測定のためにKTeVグループは劣化ウランの板とシンシレータのサンドイッチの測定器を作った。この測定結果により、新しい実験で要求されるKLビーム中のガンマ線検出器の仕様を決める。
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