研究概要 |
非弾性散乱(α,α')を通じて、陽子、中性子過剰核におけるE0巨大共鳴を探索し、陽子数と中性子数の比の関数として、原子核の圧縮率がどのように変化していくかを調べることを目的とし、具体的には以下のような研究を行っている。 ^<14>Oおよび^<12>Beの二次ビームと逆運動学を用いた、(a)^4He(^<14>O,^<14>O^*)および(b)^4He(^<12>Be,^<12>Be^*)の測定のためのシミュレーションにもとづき実験の設計を行い、平成12年度に理化学研究所加速器施設の二次ビームラインRIPSを用いたマシンタイムが認められた。 (a)では、^<14>O核の0^+,1^-,2^+,3^-状態への非弾性散乱の断面積の測定により、移行角運動量と角度分布の相関を求めるとともに、より高い励起状態への遷移確率を求める。測定するチャンネルは、^<13>N+p,^<12>C+2p,^<10>C+^4He+(γ)であり、3番目のチャンネルでは、崩壊の角度相関によるスピン同定の可能性を探る。(b)では、^<12>Beの励起0^+状態の発見をめざし、その崩壊様式から波動関数に関する情報を得る。測定するチャンネルは、^<11>Be+n+(γ),^<10>Be+2n+(γ)である。 これらの反応生成物、二次標的の下流に設置されたプラスチックシンチレータホドスコープおよびγ線測定用のNaIシンチレータにより検出する。 液体ヘリウム標的用のクライオスタットを購入し、上記の実験で用いるための調整を始めた。
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