研究課題/領域番号 |
11440097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
谷口 雅樹 広島大学, 理学部, 教授 (10126120)
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研究分担者 |
島田 賢也 広島大学, 放射光科学研究センター, 助手 (10284225)
木村 昭夫 広島大学, 理学部, 助教授 (00272534)
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
佐藤 仁 広島大学, 理学部, 助手 (90243550)
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キーワード | 正・逆スピン角度分解光電子分光 / 小型スピン検出器 / スピン偏極電子銃 / 遍歴強磁性マンガンプニクタイド / 薄膜単結晶試料 / アンジュレータービームライン |
研究概要 |
本研究の目的は、現在整備中の小型スピン検出器を立ち上げ、小型スピン偏極電子銃を設計・製作し、正・逆スピン角度分解光電子分光装置を完成させることである。この装置は実験室で使用するだけでなく、広島大学放射光科学研究センターのアンジュレータービームラインにも接続し、真空紫外から軟X線領域の大強度連続光を励起光源とするスピン角度分解光電子分光実験に使用する。また遍歴強磁性マンガンプニクタイドについて、正・逆スピン角度分解光電子分光実験を行うことが最終的な目的である。 今年度はまずスピン分解光電子分光のための小型スピン検出器を角度分解光電子分光装置に組み込み、スピン角度分解光電子分光装置としての性能評価を行った。次に、スピン分解逆光電子分光に用いるスピン偏極電子銃カソードの性能評価を行った。カソードとしてガリウム砒素基板を用い、超高真空中でセシウムと酸素を導入し、仕事関数を下げることにより、円偏光レーザー光でスピン偏極した電子を真空中に放出させることが可能になる。結果として、最大20マイクロアンペアの電子を約10時間程度の寿命で取り出すことに成功した。これは、スピン分解逆光電子分光の測定が可能な量である。試料については、強磁性マンガンプニクタイドである薄膜単結晶試料をホットウオールエピタキシー装置で作成を行った。反射型高速電子線回折やX線回折による評価から、平坦で良質の単結晶が作成出来るようになった。さらに、放射光科学研究センターでのスピン角度分解光電子分光装置の設置に向け、広島大学放射光科学研究センターのアンジュレータービームラインの最適化を行った。
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