研究課題/領域番号 |
11440099
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (40194021)
|
研究分担者 |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 講師 (10245798)
欅田 英之 上智大学, 理工学部, 助手 (50296886)
|
キーワード | コヒーレントフォノン / フォノン / ラマン散乱 / フェムト秒パルス / 非線形分光 / 低次元物質 / 励起子 / ポリマー |
研究概要 |
本研究では立体規則性を有するポリチオフェンの励起子物性、特に非線形光学特性を明らかにすることを目的とし、今年度は以下の研究を行った。1 立体規則性の高いポリチオフェンの良質な薄膜の作製(担当:陸川)本研究では立体規則性の高いポリチオフェン誘導体P(S)MBET を試料として用いる。この試料の立体規則性を更に高めること、および光学的に優れた表面を持つ薄膜を作製することを目的として(a)低温精密重合による立体規則性純度の向上(b)薄膜作製法の検討を行い、良質な試料の作製に成功した。2 非線形分光を用いて、有効共役長の見積もりを行い、有効共役長と励起子物性の関係を調べる(担当:江馬、欅田)得られた良質な薄膜に対して非線形分光を行なった。まず、有効共役長の見積もりを行なうことを目的とし、主に縮退4光波混合法(DFWM)を用いてX^<(3)>の絶対値を測定し吸収スペクトルとともにフィッティングすることで平均有効共役長を求めた。その結果、LB膜において約36チオフェン環、スピンコート膜において約20チオフェン環という見積もりができ、通常のポリチオフェンに比べて非常に長いことがわかった。また、発光の時間分解分光を行って、励起子の緩和過程を詳細を調べたところ、励起子は共役長の長い部分に移動してから発光するという興味深い現象を確認することができた。今後は、4光波混合、ポンプ・プローブ法、発光時間分解を用いて、励起子の非線形物性および緩和過程を解明していく。
|