研究概要 |
本年度は、Al-Cu-Ru-Si系、Al-Pd-Fe系、Al-Pd-Ru系、Al-Pd-Re系において、種々の合金を作製し、近似結晶の探索を行い、得られた近似結晶の構造を単結晶X線回折法で決定することを行い次ぎのような成果を得た。 1)Al-Cu-Ru-Si系合金において、Im3とFm3の空間群をとりa=1.268nmの立方晶を近似結晶の存在を高分解能電子顕微鏡から見いだした(Phil.Mag.Lett,80(2000)73)。 2)Al_<69.1>Pd_<16.7>Fe_<14.2>合金で空間群Im3、格子定数a=1.54nmの新しいタイプの立方晶近似結晶相を見いだした。 3)Al_<64>Pd_<31>Fe_5合金では空間群Fm3の同じ格子定数の立方晶近似結晶相を見いだした。 4)以上2つの結晶相の構造をX線構造解析から決定した。5角12面体を含む正20面体原子クラスターの単純立方晶的に配列することを見いだした。 5)Al-Pd-Ru系では、空間群Im3とFm3の2種類の立方晶近似結晶相を見いだした。これらはAl-Pd-Fe系で見いだされた2種類の立方晶と同じ構造を有することを明らかにした。 6)Al_<68>Pd_<20>Ru_<12>合金では空間群、Fm3Al_<70>Pd_<17>Ru_<13>合金では空間群Im3の立方晶近似結晶相を確認した。 7)Al-Pd-Re系では、立方晶は発見できなかったが、Al_<80>Pd_<15>Re_5合金において、空間群P63/mmc,a=1.24nm,c=2.75nmの新しい六方晶結晶相を発見した。
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