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1999 年度 実績報告書

強相関少数キャリア系の多重極限物性

研究課題

研究課題/領域番号 11440110
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 孝至  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (00192617)

研究分担者 伊藤 昌和  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (40294524)
中村 文彦  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (40231477)
藤田 敏三  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (20004369)
キーワード近藤半導体 / LuB_<12> / YbB_<12> / 音響的 de Hoas van Alphen効果 / 四重極子秩序 / 結晶場効果 / LiCu_2 Sn / Jahn-Teller 効果
研究概要

(1) YbB_<12>)の近藤半導体状態の発現機構解明に向けて,その参照物質であるLuB_<12>の詳細なフェルミ面情報を得ることは興味ある問題である。われわれは,フェルミ面情報と同時に歪ポテンシャルの情報まで得られる音響的de Haas van Alphen効果の測定を純良単結晶LuB_<12>に対して温度0.4K,磁場16Tまでの範囲で行った。本研究により,次の結果を得た。まず,弾性率量子振動数よりLuB_<12>のフェルミ面形状を決定するとともにサイクロトロン有効質量数を主要な結晶軸方向に対して決定した。この結果は,LAPW法バンド計算により既に得られていた結果とよい一致を示す事かわかった。これから,LuB_<12>のフェルミ面が,ホウ素の2p電子とルテチウムの5d電子との混成バンドに形成されていることか判明した。さらに,歪ポテンシャルの角度依存性の決定にも成功した。
(2) 温度16Kにおける相転移により電気抵抗率の温度依存性が金属的なものから半導体的なものに変化するUCu_2Snにおいて,その相転移の起源および相転移機構を解明するため弾性率,比熱,磁化率の測定を行った。その結果横波弾性率C_<66>において56%におよぶ巨大なソフト化を見出した。他の弾性率には,結晶場効果に特徴的な弾性異常を観測した。歪感受率による解析を行った結果,UCu_2Snの相転移について次の結論を得た。まず,相転移の起源は,ウラン化合物には珍しく局在的な5f^2電子状態が六方晶の結晶場により分裂したことにより四重極子の縮退を持つT_5基底状態か形成され,この基底状態がもつ不安定性によるものと判明した。また,相転移機構については,歪感受率による解析の結果正の四重極子間結合定数が得られたことから強四重極子秩序である可能性が高い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takashi SUZUKI et al.: "Jahn-Teller instability in a ternary uranium compound"Physica. B284-288(掲載決定ずみ). (2000)

  • [文献書誌] N. Okuda et al.: "Elastic quantum oscillation of LuB_<12>"Physica. B281-282. 756-757 (2000)

  • [文献書誌] Takashi SUZUKI et al.: "Quadrupolar ordering of 5f electrons in UCu_2Sn"Phys. Rev.. B(掲載決定ずみ). (2000)

  • [文献書誌] Z. Hossain et al: "Antiferromognetic Kondo-lattice systems Ce_2Rh_3Ge_5 and Ce_2Ir_3Ge_5 with moderate heavy-fermion behavior"Phys. Rev.. B60. 10383-10387 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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