絶対重力計および超伝導重力計の連携による経年的重力変化の精密観測

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11440132
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 福田 洋一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30133854)
• 研究分担者: 東 敏博 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90135517) ; 藤森 邦夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00025470) ; 竹本 修三 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40027256) ; 今西 祐一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30260516) ; 佐藤 忠弘 国立天文台, 地球回転系, 助教授 (10000176)
• キーワード: 絶対重力計 / 超伝導重力計 / 精密重力測定 / 衛星重力ミッション / CHAMP / GRACE / 重力時間変化 / 地球変動

研究概要

本研究の目的は、絶対重力計と超伝導重力計による高精度な重力測定を連携して行うことにより、現在計画されているGRACEなどの衛星重力ミッションとのデータ比較にも耐えうる高精度な重力の時間変動データセットを構築することにある。
このため、平成13年度においては、主として次の観測を行った。
1)重力測定に及ぼす地下水位変動の影響を調べるため、京都において水位観測を継続実施した。
2)超伝導重力計のキャリブレーションと重力経年変化の検出を目的として、京都において随時絶対重力測定を実施するとともに、2001年6月から8月にかけて江刺において、また11月から12月にかえて松代において、それぞれ、超伝導重力観測と並行して絶対重力観測を実施した。
3)絶対重力計の精度維持のために、2001年9月ならびに2002年の2月の2回、国土地理院において調整ならびに比較測定を実施した。
4)インドネシア・バンドンで超伝導重力計観測ならびに水位観測を実施した。
以上の観測と並行し、既存の超伝導重力計観測データの整理を進めるとともに、絶対重力測定との比較から京都、松代、江刺のそれぞれの超伝導重力計の精密なキャリブレーション係数を決定した。昨年度の松代につづき、本年度の観測では江刺においても長期間の良質なデータが得られ、この結果は、江刺における地球潮汐データの再解析にも大いに寄与するものである。
また、データ解析や処理方法等についての打ち合せを適宜実施したほか、研究成果については、日本測地学会講演会、AGU Fall Meetingやその他シンポジウム等で随時発表を行い、その結果等をまとめ、報告書を作成した。

研究成果

• [文献書誌] 福田洋一, Lorant Foldvary: "衛星重力データによる精密重力測定の環境補正"測地学会誌. 47. 679-685 (2001)
• [文献書誌] Imanishi, Y.: "Development of a High-Rate and High-Resolution Data Acquisition System Based on a Real-Time Operating System"J. Geod. Soc. Japan. 47. 52-59 (2001)
• [文献書誌] Matsumoto, K., Sato, T. 他: "GOTIC2 : A Program for Computation of Oceanic Tidal Loading Effect"J. Geod. Soc. Japan. 47. 243-248 (2001)
• [文献書誌] Mukai, A., Takemoto, S.他: "Oceanic Tidal Loadings Estimated from Gravity Observations in Kyoto and Bandung"J. Geod. Soc. Japan. 47. 261-266 (2001)
• [文献書誌] Ogasawara, S., Higashi, T., 他: "Calibration of a Superconducting Gravimeter with an Absolute Gravimeter FG-5 in Kyoto"J. Geod. Soc. Japan. 47. 404-409 (2001)
• [文献書誌] Sato, T., Fukuda, Y., 他: "On the observed annual gravity variation and the effect of sea surface height variations"Phys. Earth Planet Int.. 123. 45-63 (2001)