研究課題/領域番号 |
11440135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
河野 宣之 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (10186116)
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研究分担者 |
並木 則行 九州大学, 理学部, 助手 (50274428)
加藤 隆二 国立天文台, 宇宙科学研究所, 助教授 (10249930)
花田 英夫 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (60132677)
小山 泰弘 通信総合研究所, 鹿児宇宙通信センター, 助教授 (30359054)
安田 茂 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30253909)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 相対VLBI / 月重力場 / ドプラー / スピン / Orbit Determination / VLBI |
研究概要 |
本研究課題は2005年打ち上げ予定のわが国の月探査計画SELENEにより、これまで得られている月重力場を1.5桁高精度で求め、月の内部や地殻の構造を明らかにし、その起源と進化に迫ることを目的にしてきた。このため、従来の2-wayドプラーデータに加え、月裏側の重力場を直接測る世界初の4-wayドプラーおよび相対VLBIデータを取得・解析するソフトウエアをNASA・Goddardとの共同研究で開発するとともに、取得データに7種の補正行って高精度化を進めてきた。 最終年度に当たる今年度は、残された課題である電離層の短周期変動の推定と、そのドプラーの補正法を確立した。具体的には、国土地理院のGPS観測網(国内約1000局)のデータを用いて、観測局である臼田宇宙空間観測所における30秒毎の電離層密度を推定するソフトウエアを国土地理院と京都大学の協力の下に完成し、いくつかの課題は残るが、約0.2mm/sの高精度でドプラーおよびVLBIデータの補正が行えることを明らかにした。 4年間にわたる研究で大きな成果が得られた。すなわち、1)相対VLBIとドプラーによるSELENE月周回衛星の位置を誤差1.5mで決定、2)4-wayドプラーによる月裏側の重力場の世界初の直接測定とデータ処理・解析、3)高精度相対VLBIと4-Wayドプラーデータの追加による月重力場の1.5桁もの改良、などをSELENEで実現でき、2005年打ち上げに向けた準備を整えることができた。この研究を次年度以降さらに発展させ、上記取得データと他のデータを組み合わせ、これまで不可能であった重力異常の月全面の分布やモホ面の厚さなどを推定でき、その結果から本研究の最終目的である月の起源と進化に具体的に迫る研究に繋げてゆきたい。
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