海洋データ同化モデルによる黒潮の熱輸送解析とその予測手法に関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11440140
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 淡路 敏之 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40159512)
• 研究分担者: 根田 昌典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10273434) ; 秋友 和典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10222530)
• キーワード: 黒潮変動 / 海洋データ同化 / 4次元熱分配 / 予測

研究概要

1次元海面混合層同化モデルを時間空間4次元に拡張して、表層・亜表層・中層の流速場と海面熱フラックスを精度よく評価でき4DVAR海洋データ同化モデルを構築するとともに、その並列化コードを開発し、京都大学大型計算機センターのVPPマシンにて動作確認およびスケーラビリテイなどの調査を行った。
その後、1990年以降の黒潮・黒潮続流域の流速場・海面水温場、海面熱フラックス、および下層との混合率などのデータセットの作成実験に着手し、解析値の品質検査の一環として、黒潮の流路変動特性や黒潮変動に伴う熱輸送の時間空間変化とその動態特性の調査をおこなった。その結果、流路変動については、2ヶ月程度なら良好なhindcast実験結果が得られた。これらをもとにして、最終年度にあたる平成13年度には、本研究計画の目的である黒潮・黒潮続流域の全熱輸送場と流速場の4次元データセットの作成及び解析、ならびに数ヶ月スケールの黒潮変動予測モデルの開発を成功させたい。

研究成果

• [文献書誌] Ishikana,Y.,T.Awaji,and M.Komori: "Dynamical initialization for the numerical forecasting of ocean surface circulations using a variational assimilation system"Journal of Physical Oceanography. 31. 75-93 (2001)
• [文献書誌] Nakamura,T.,Awaji et al: "The generation of large-amplitude unsteady lee waves by subinertial K1 tidal flow"Journal of Physical Oceanography. 30. 1601-1621 (2000)
• [文献書誌] 淡路敏之,池田元美、蒲地政文,久保田雅久: "データ同化はなぜ必要か"月刊海洋. 368. 65-68 (2001)
• [文献書誌] 小守信正,石川洋一,淡路敏之: "データ同化の原理と応用"月刊海洋. 368. 69-75 (2001)
• [文献書誌] 石川洋一,淡路敏之,小守信正: "2ジャイヤー系のデータ同化について"月刊海洋. 368. 76-82 (2001)
• [文献書誌] 石川洋一,淡路敏之,飯田昌虎,印貞治,豊田隆寛: "海洋混合層のデータ同化について"月刊海洋. 368. 83-87 (2001)